第四百二十話
まず取り掛かったのは大気圏内向けのMDと母艦級の開発だ。
せっかく戦乱……というには随分と落ち着いた戦局ではあるが、それはまだネオ・ジオンが地球やルナツーという連邦軍にとって重要な拠点やエゥーゴが明確に影響力を保っているコンペイトウに手を出していないからだ。
せっかく実地試験ができる舞台があるというのに間に合わないというのは惜しい。
やはり大気圏内で戦うとするなら単独飛行、大気圏突入で戦場に駆けつけ、大気圏離脱で帰還ぐらいは熟したいところだ。
となるとやはり可変機か、しかしMSのように足は必要ないからMAに近い……一年戦争終盤にシャアが乗っていたという未完成のジオングを大気圏内で単独飛行ができ、戦闘では上半身人型で、高速移動を可能にするために可変、コンセプトはこんな感じか。
もちろんあんな美的センスがないデザインにはしない。レナスと同じヴァルキリーな感じのデザインでネームは既にシルメリアであることは決めている。ゲームの順番的に。(なんで3はアーリィじゃなかったのか……)
母艦級に関しては既に設計は終わっていたりする。
ジオンで母艦、しかもこれからの運用的に考えれば大気圏内でも使えることも視野に入れるとすると自ずと答えが出るというものだ。
というわけでジオン公国の万能艦ことザンジバルをベースだ……まぁデザインが同じだけで中身は共通点を探してもほとんどないがベースのはずだ。
新たな母艦級は長期任務を前提として大型化した代わりにキュベレイシリーズを20機搭載した上でパノプリアを2機搭載することが可能だ。ただしパノプリアは通常任務時は未搭載予定、通常任務じゃ重すぎるんだ。
何よりこだわったの長期任務でも苦痛に感じない快適居住空間だ。
最初は訓練も兼ねるような部屋を考えていたのだが、ハマーンとジャミトフとカミーユとシローと……その他大勢から「やめてやれ」と言われたのでスミレと共に肩を落として貧乏人には居心地が悪そうな快適空間を作り出した。
温泉、サウナ、遊技場、庭園(小川付き)、カラオケルーム、ボウリング場、射撃場(遊戯的な)などなど、小さいコロニーに等しい施設を用意した。
ちなみに任務に就く者と整備する者以外は利用禁止だ。さすがに日頃から使われると整備も面倒な上に新鮮味が薄れて快適さがなくなるからだ。
そしてこの母艦はMD艦やMDをコントロールする役割もあり、母艦1隻でMD艦10隻とその艦載機全機(1隻4機なので40機)を率いることができる。
キュベレイ・ストラティオティス20機、MD40機もあれば負けることはそうはないだろう……フラグか?いや、さすがにこのフラグは回収できないと思うが……。