第四百二十一話
時渡りしてきて2ヶ月が経った。
宇宙の覇権を握っているネオ・ジオンと渡りをつけたことによって私達は平穏な日々を過ごすことができた。
やはり持つべきはニュータイプの独裁者だ。これがオールドタイプ……特にティターンズの最盛期だったらかなり面倒なことになっていただろう。
レナスも1500機製造、母艦級は旧母艦級に比べて大型艦であるためコストが掛かる関係で2隻しか建造できなかったがコストの安いMD艦は30隻建造したから母艦級2隻とMD艦20隻で遠征が可能になった。もっともまだシルメリアの開発は終わっていないため宇宙限定だが。
シルメリアの開発は思ったより苦戦している。
なにせ今まで大気圏内に進出するつもりがなかったため、私もスミレは多少知識はあるが、前の世界で地球圏に帰還する前のものでしかない。
となるとカミーユのZガンダムがミソロギアにあるMSの中で最新ということになる。専用機のイータは連合との決戦で少し出てたが大気圏内のデータはないのでノーカウントだ。
いくらZガンダムがハイスペックで簡易サイコミュのバイオセンサーが載せられているとは言ってもやはりオールドタイプが考えて作られたものに過ぎないのでそれをそのまま使うのは面白くな――非効率だ。
そんな事情もあって苦戦している。
まぁハマーン閣下から地球への本格的侵攻は2ヶ月は先になると聞いたから慌てていないというのもある。
「地球を支配しようと言うなら……いや、宇宙だけでも支配しようと言うなら入念な根回しが欠かせんからな」
「それにアクシズ時代からアレンのMS無しで、というがガザCで漁夫の利を狙ってたにしてもエゥーゴ、ティターンズを相手にしてたとなるとそれなりに損耗があるでしょうし、ガザCなんておもちゃから転換させる必要もあるでしょうね」
「確かコンペイトウでエゥーゴと小競り合いがあったんだよな?それならコンペイトウの警戒で戦力が割かれたのもいたいだろうな」
カミーユが言ったコンペイトウでの小競り合いは元々エゥーゴに多くジオン兵が存在していて、それを取り込む工作をしていたが、それが露呈してしまい、裏切り者は粛清だ!合流する味方を助けろ!と争いに発展したようだ。
そのせいでジャミトフが言っている根回しが面倒なことになったともハマーン閣下が言っていたな。
ハマーンが言っているガザCからの転換もジオン軍でもあったザクへのこだわりのようにガザCへのこだわりがあるらしく直ぐにはいかない、と愚痴っていたな。