第四百五十二話
ジュドー・アーシタが説得?している間に念のためとエル・ビアンノが乗っていたガンダムmk-IIを解析してみたが、解析してよかった。
私の持つガンダムmk-IIの設計図とは随分と相違点が多い。
ただ、その相違点は――
「この改修の仕方……スミレが関わっているな」
つまり私が存在しないことでスミレがアナハイムなりエゥーゴなりに所属しているという違いから生まれたものだろう。
スミレの能力を考えれば多少異なる人生を歩んでいたとしてもこのように頭角を現しても不思議ではない。
「しかし、Gディフェンサーは同じように実装されているのは不思議な感じだな。フレキシブルバーニアスラスターの作りが違っているのになぜ――」
などとつらつらと考えていたらエル・ビアンノと話がついたのを感じ取り、こちらに気配が向かってくる。
「どうなった」
と確認するが答えは既に気配でわかっているがあえて問うた。
「あんたみたいな怪しいやつに任せるなんてできないから私もついてって見張るわ!」
「おい、エル。喧嘩を売るような言い方するな。あんな成りでバケモンみたいに強いんだぞ」
注意している本人の方が失礼な言動であると気づこうか。まぁバケモノやキチガイなど言われ慣れているので今更思うこともないが。
「では、あれに入ってもらおうか」
医療コンテナと共に落とした生命維持装置付きコンテナに入るように促す。
「大丈夫なんでしょうね」
「ビームライフル1発、バルカンを同じ場所を立て続けて受けなければ5発程度なら受けても大丈夫なように設計してある」
「思ったよりも凄いものだった?!」
回答に満足するものだったらしく、意気揚々と乗り込んでいくエルと苦笑いを浮かべながらリィナを背負って歩くジュドー。一応リィナはこちらで運ぶ提案をしたのだが信用が足りないこと、妹は兄の自分が背負う、という家族としての思いから断られた。そしてジュドーの影に身を隠すエルピー・プルはこちらを警戒するように見ながらついていく。
そういえば――
「ガンダムmk-IIはどうする。アーガマに返すか、ここに置いておくか」
「えー……どうしよっか、アーガマにMSがないと困るよね?」
「ああ……あ!いっけねぇ?!コア・ファイターあのまま置いてきちまった!!」
「ジュドー!何やってんのよ?!」
「いや、だって、リィナが怪我をするしアレンに連れ去られるしでうっかり」
「どうすんのさ。あれがなきゃZZが使えないじゃない」
「ハァ……そのコア・ファイターはネオ・ジオンに確保されている可能性が高いのか」
「庭に置いてきたから間違いない!くぅ、こんなことになるならチャチャっと売っぱらっておくんだった!」
「ならそちらも手を打っておく。またハマーン閣下に頼むことになるな。対価は何がいいか……」
「……なんかごめん」
「気にするな。迷惑料はその身体で上乗せして払ってもらう」
「ちょっ?!ジュドーに何させる……てか何する気よ!」
「それは………………着いてから説明する」
「あ、今面倒だから投げたわね?!」
妙なところで察しがいいな。