第四百六十五話
一通り作戦内容を話し終え、肝心なことを言っていなかったと思い出す。
「今回の報酬はコンペイトウとなった」
と報告するとなぜかため息が漏れ聞こえる。
「コロニーの次はコンペイトウって……まぁルナツーじゃなかっただけいいのかしら」
「確かにルナツーはサイズ的に使いこなすのは難しいだろう。むしろ2基目のコロニーすら現段階では手を余しているというのに」
「んー!とうとう宇宙要塞かー……どんな風に改造しようかなー」
ハマーンとジャミトフが遠い目をしている一方で煩悩に忠実なスミレ・ホンゴウが色々思考を巡らせ始める。
アクシズは好き勝手できなかったので私も楽しみにしている……が、やることが多いのは難点だ。
「資源の確保を更に強化せねば……しかし、話を伺っている内容ではネオ・ジオンの暴発を防ぐための圧力と考えると新たな取引先を模索する必要があるな」
「新たにとなると……地球連邦は私達を受け入れることは現状ないでしょうし、エゥーゴからコンペイトウを奪うのですから論外。後は民間、ですか」
「民間で大きいところといえば、宇宙引越業公社、コロニー公社、木星船団公社だが、強奪するならともかく取引となると難しいな。最盛期のジオン公国でも手を出すことが叶わなかったのですから私達では満足な取引はできないでしょう」
「となると前の世界では暗躍していたアナハイム・エレクトロニクスが有力か、連邦にティターンズ、エゥーゴ、ネオ・ジオンと見境なく取引をしているのだから我々と取引できる可能性が高い」
「ダミー会社を通して中小企業という手もいいですけど手間が多いことと伝手を作るのが面倒ですね」
とプルツーとプル22が検討している。
政治を司るのはジャミトフだが、本格的にプルツー、プル22を司令官として政治的判断も行えるように鍛え始め、今回の手配はプルツー達に任せるようだ。
多少失敗したところで取り返しがつかないということはないだろうと任せることにした。
そのうちプル人形も用意するか?戦闘能力などはなくとも生身を晒すことがなくなればリスクは限りなく0となる。
問題は操作距離か、私だからここから地球でも問題ないが……何か打開策を考えておくか。
「今回の司令官はシロー・アマダ、補佐としてイリア・パゾムに任せる」
「俺か、わかった」
「拝命しました。直ちに準備を始めます」