第四百六十六話
コンペイトウ攻略作戦は会議の翌日には始動。
元々ミソロギアは常在戦場、常に戦闘、出撃可能な状態であり、コンペイトウの情報はエゥーゴとネオ・ジオンが小競り合いをしている中で既に全容を把握済みであるのだから当然……というわけでもないか。むしろ半日で動き出せていない段階で遅いと言える。
プルシリーズを一気に600人増やして、前回の600人と合わせて1200人も増えることとなったので変更する点が多く時間が掛かってしまった。
軍の人事は指揮官クラスを除いてミソロギア内の状態、身体、精神、経験、相性、スケジュールなどのデータを基にして選出されるのだが、プルシリーズが600人も増えたとなればその選出にも大きく変更が行われたため若干混乱してしまったのだ。
しかし、ネオ・ジオンのコロニー落としもそれほど猶予がないとハマーン閣下から聞いている以上は時間を掛けるのは依頼の失敗となる。
正直、ネオ・ジオンがどうなろうと連邦がどうなろうと時渡りをもう1度行えるという感覚があるので構わないのだが、できれば情勢を知っている世界で資源を貯めておきたい。
ネオ・ジオンが予定しているコロニー落としは落下速度を調整して局所的被害に抑える予定だとか言っているが、エゥーゴや連邦が……いや、むしろネオ・ジオンの対抗派閥や過激派が喜々として本来のコロニー落としへと変貌させかねない。
派閥争いや過激派などの言葉に縁がある奴らはなぜか身の程を知らずに暴走してしまうから面倒だ。そのくせ責任は取れないどころか他人のせいにする。
今度本来のコロニー落としが成功してしまえば地球の生態系に止めを刺す可能性がある。
地球の資源が丸々なくなってしまうのは大きな損失だ。地球でしか得れない資源も多くあるというのに……と前の世界でも同じようなことをボヤいていたな。
「さて、ハマーン。アッティスはどうだ」
『アレン……あなた、本当にこんなものを動かしていたの?!』
「もちろんだ。むしろ研究開発設備を外しているので若干だが動きやすくなっているはずだが」
『こんなの動かすだけでも一苦労よ!!』
ふむ、やはりそのままではアッティスを操縦することは難しいか、まぁ船体全てをサイコミュで操作しているのだからその難易度はMDを100機同時に操るよりも勝るのだから仕方ないだろう。
「もし本格的にそれを使うつもりならせめて姿勢制御ぐらいは自動化するが?」
『……お願いします』
なぜこんなことになったかというと母艦級をベースに私の専用艦を建造しようと考えていたのだが、そうなるとアッティスはどうするか、と考えていたところ、それを感じ取ったハマーンが――
「なら私が乗りたい!」
と言い出したのだ。
どうやらハマーン閣下を構い過ぎてヤキモチを焼いてしまったようだ。