第四百七十六話
コンペイトウが私達の手に入ったのでミソロギアのコロニーを移動……しようと思ったのだが、ミソロギア2に問題が発覚。
ミソロギア1は元々辺境へ移住することを目的として改造を行っていたから問題なかったが、この世界で手に入れたミソロギア2では移動中に襲撃があった場合、既に戦力を分散させているし防御性能も皆無であるため、特に連邦が本格的に軍を動かしたらミソロギア2を守りきれるか怪しい。
というわけでミソロギアを移動させるのではなく、コンペイトウを移動させることにした。
ミソロギア1に取り付けている核パルスエンジンではコロニーよりも何倍も重いコンペイトウを動かすには出力が足りない。だから改造――
「普通に数で補えば問題ないってスミレが言っていたわよ」
――出力が足りないので改造している。
「まぁアレンらしいけどね。でもネオ・ジオンに捕虜を引き渡すまでに間に合うの?」
そのつもりでしょ?と視線でハマーンが告げてくる。もちろんそのつもりだ。
「あれこれ手を出し過ぎじゃない?研究するのはいいけど、他にもやりたいことがあるんでしょ」
「……そうだな。今回は保留にしておくか」
言われている通り、私は色々と手を出し過ぎている気がする。
これでは急拵えのものばかりができてしまう。
「アレン専用の艦も大詰めって言ってたでしょ。そっちを先に仕上げましょうよ。アッティスよりも戦力になるんだから防衛戦力としてはストラティオティス50機分以上になるんだから不安は減るわ……まぁ私とかプル達的にはアレンを戦場に出さないといけない事態にはしたくないんだけど」
研究時間が削れるのは私も望むところではない。
ここのところ欲望に駆られて衝動的に動いてしまった感が否めない。
結果がガルダ級、コンペイトウ、こちらの世界のジュドー・アーシタ達と収穫は上々ではあるがミソロギアの防衛戦力を薄くし過ぎた点は反省点だ。
「では、核パルスエンジンの増産と既に増産したMDコントロールユニットとプルシリーズの輸送が急務か」
今、コンペイトウは母艦級1隻編成しか防衛戦力が存在しない。
コロニーよりも強固なコンペイトウだが、コロニーよりも立体的であり軍事基地であるためスペースゲートが多く存在する。
ファンネルとレナスで数を補っているとはいえ、完璧に防げるか怪しい。そしてコンペイトウに侵入されるとまた人形で駆除しなくては――
「そこはプル達に任せたらいいんじゃない?さすがに1000を超える人数なんていないでしょうし、今度はこちらのテリトリーなのよ?アレン人形じゃなくても負けないでしょ」
「派遣してあるプルシリーズの練度の差が気になるが……そうするか」