第四百九十話
パノプリアの更新とミソロギアで新たに母艦級1隻の完成、キュベレイ・ストラティオティスとレナスの増産により大気圏で待機している母艦級1隻と交代させることができるようになった。
これで戦力は母艦級5隻、MD艦80隻、キュベレイ・ストラティオティス200、レナス2000、高機動型レナス50、シルメリア150となった……一応他にも試作機や少数機、多少の補助戦力は存在するが、主力としては以上だ。
本来は母艦級の交代はまだ早いのだが、この世界のジュドー・アーシタ達というイレギュラーな客人(検体)をミソロギアに迎えることや急増したプルシリーズの影響で再編成を行う必要が出たからだ。
それぞれの母艦級の戦力は低下してしまうが、本格的に敵対関係にある勢力が存在しない今ならば経験を積むにはいい機会だろう。
「分散しているとはいえ、戦力的にはこれで十分か。次は次世代機の開発かハマーンとプルツーの機体の修繕か……しかしどちらにしても開発中の技術を投入したいが、妥協すべきか?」
投入したいと思っている新技術としては発想さえわかってしまえばそれほど難しくないビームシールド、ニュータイプ能力に左右されずに思考による操縦を実現したリユース・サイコ・デバイスだ。
ただ、いくつか問題がある。
ビームシールドは、Iフィールド同様守りの要となる。
Iフールドよりも小型化が容易で、ビーム兵器だけでなく実弾も防ぐことができるのは強みだが、その反面、シールドを展開している部分しか守る事ができない。
プルシリーズならよほどの相手でなければビームシールドだけでも問題ないとは思うが、プルシリーズがやられるとすると不意打ちである可能性が高いため、シールドでは役割を果たせるかどうかは疑問であり、できれば両方搭載したいところだが……そうなると今まで以上に重く、大型化してしまう。要改善、要検討だ。
ちなみにレナスやシルメリアに搭載することは現段階で可能なのだが、元々使い捨て戦力であるMDにシールドが必要ないだろう。
リユース・サイコ・デバイスに関してもサイコミュと類似している部分が多い。ただ、直接体と機体を繋げることで弊害もある。
反射的にパイロットが驚いたりすると機体が硬直したりする。そのため、感情と能力が密接するニュータイプとの相性が悪い。
ただし、それを乗り越えうまく使いこなすようになれば、リユース・サイコ・デバイス(神経)で機体操作を、サイコミュ(精神)でファンネルやMDを操作することができることは既にわかっている。
その効果は絶大で、マルチタスクの問題は今のところ私以外にそれを実現できていないという点だが。
更に元々のリユース・サイコ・デバイスのように四肢が欠損している者を戦わせるためのシステムであるため、全プルシリーズにそれを施すのは非効率だ。別の方法を模索中だ。ちなみに私自身は触手で自身を施術したが、リユース・サイコ・デバイスをそのまま使うのは不便で仕方ないのですぐに四肢生やしたが、これをプルシリーズに行うのはやはり無理がある。