第五百十一話
「ほう、これが新しいMS……ガンダムタイプか、つくづく連邦はガンダムが好きと見える」
プル達の修学旅行の潜入調査によって手に入れてきたものの中にあった情報の1つに新型MS……私も知らぬそれがあった。
「しかしνガンダムの量産型か。ガンダムタイプを量産しては象徴として安くなりすぎる気がするが、そのあたりは気にしないのか……よくわからんな」
νガンダムの量産型だけあってフィン・ファンネルを装備しているようだが、オールドタイプ用にインコムへと換装することも可能……というよりもインコム運用がメインのようだ。
設計データではなく、概要を書かれたものだったため詳細は不明だが、未来から来たアムロ・レイをモルモットとして開発された準サイコミュがポイントだ。
アムロ・レイの回避行動をプログラム化したものが一時期連邦が採用していたが、それと類似するがアムロ・レイのデータを基にしてインコムの行動パターンを作り出したようだ
これはなかなか厄介なものが開発された気がする。
ファンネルは操縦者の意思が大きく反映される関係でニュータイプ同士の戦いにおいてはプルシリーズが一方的に負けることは少ない。
しかし、インコムは操縦者が目標を定めるだけで、後の行動パターンはAI任せであるため、意思が読み取れず、手間取る可能性が高い。
とは言ってもデータがアムロ・レイのものである、というだけで目新しい技術ではない……いや、一応準サイコミュもサイコフレームなどを使っているようなので進化はしているがあくまで組み合わせただけに過ぎない。所詮、MDで使われている強化人間型OSとそれほど変わりがないのだから。
「しかし、開発期間を考えれば妥当か?いや、連邦なら並行して他にもなにか開発していても不思議ではないか」