第六百三十七話
「最近お勉強の時間が増えたねー」
「だねー。歴史の勉強なんてなんの役に立つんだろ」
「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」
「でも賢者も愚者も紙一重だと思いまーす」
「世界征服目指すなら歴史ぐらい知ってないと難しいでしょ」
「その前に一般常識を知るべきかと」
「間違いないね!」
「それに世界征服なんて誰も成し遂げてないのに歴史って言われても」
「地球連邦は征服っていうよりただ単に集まって統合しただけだしねー」
本人達が語っているようにプルシリーズの教育課程に変更があった。
世界征服を視野にいれるとなると今までのようにアレンやジャミトフなどの頭脳ばかりが判断していてはリソースが不足する上に、現場判断まで行うとなるとタイムラグが生じて致命的なことになりかねない。特にプルシリーズは真面目とは言い難いが、不真面目というほどでもない。しかし、日頃が身内ばかりと会話しているため、軽口や勢いで話をしてしまうところがあり、それは交渉や外交の場で行えば大惨事となる。それを事前に防ぐためのお勉強である。
とはいえ、これらは下位ナンバー、特にこの世界に来てから生まれたナンバーは急増したコロニーやオイコス、母艦級などのスタッフとして教育されていたために重点的に学び、十分学ぶ時間があった中位ナンバー以上は復習とジャミトフやその側近達と実践訓練(交渉して休日を増やしたり物資の融通などを駆け引き)している。
「そういえばパイロット組の一部が水中戦の訓練を始めたんだってさ。抵抗が凄くてMSが動かないって文句言ってた」
「あー、レナスもシルメリアも動かせないからストラティオティスじゃないと駄目なのか」
「アレンパパが水中用MDも設計を始めたって話だね」
「そういえば連邦軍って水陸両用MSって少ないイメージだけど、いるのかな?」
「ああ、それって確か地球に住む金持ちって地下都市とか海底都市を作って引きこもっているらしいからそれに対する圧力じゃない?」
「だからジオンは水陸両用MSの開発に力入れてたんだね」