第六百四十八話
「早速野次馬がやってきたか」
相手が世界規模で侵攻という目的で世界的に電波ジャックをするような組織であるにも関わらず、だ。
『調査のため』『情報は金になる』『話題に乗らないと』など色々な動機からであるがこいつらの根底には『自分は何があっても大丈夫』という無根拠を柱として基地を目指す。
もちろん宣言通り捕獲、そしてコンテナの定数に達すれば移送予定だったが……
「予想よりも数が多いな」
資源採取基地は最小限しかプルシリーズを配置していない。それに合わせるように食料生産プラントも同規模程度でしか設置していなかった。もちろん、強制移民を行う以上資源採取基地が留置所としての役割となるのだから追加設置は当然していたが各基地で大凡1000人が捕獲され、総勢1万人……この段階でこれほどの数を捕獲するとは思っていなかった。
人間とは想像以上に楽観的だと考えていたが、私も例外ではない。
「急いでコロニーへと移送するとしよう」
見逃す、解放する、捕殺するというのは私のスタンスに合わないので予定を繰り上げることとした。
用意したコロニーには必要な食料生産プラントもあるし、備蓄もある。まぁ一般人には窮屈な生活になるのは確実だが、私達は経験を積みたいだけであり、人間のため、地球のためになどと考えているわけではないのでこれでいいのだ。むしろ色々集団実験や社会実験もやってみる予定である。いや、もう目的と言っても過言ではなくなっている。
「しかし社会実験を行うとなるとこの世界に長く滞在することになるか」
いずれにしても作用副作用の確認は短期、中期、長期でデータを取らなかれば立証できないが、それが社会実験ともなればその時間は他よりも長くなって当然だ。社会制度など最低10年程度は先を見据えなければお話にならない。10年後のデータで立証することになる、つまりそれは10年この世界にとどまるということと等しい。
「サイコ・フレームの研究で時間は潰せそうではあるがな」