第六百四十九話
強制移民コロニーは現在1000万人が生活可能であるが、最終的には1億人ほどを予定している。
現状でも生きていくことだけなら1億人を受け入れることは可能だが、肝心の食料生産が間に合わない。
それに既存のコロニーを私なりに手を加えて標準サイズの物より3倍近く大きく作り上げたものであるため安定性に欠けるので万が一の時には被害は少ないほうがいいだろう。
「今度は行方不明者を捜索するために警察か、軍と連携が取れていないな。あれだけ執拗に攻撃してきた軍は私達の戦力をある程度把握しているというのに警察の捜索を止めないとは……なるほど、互いの上層部の関係がよろしくないのでこれを機に追い落とそうと言うわけか」
プルシリーズが地球各地に侵入して調べてきた情報を土台として私の共鳴による裏付けによって浅はかな策略が判明する。
全世界規模でテロ宣言したにも関わらずこの対応、連邦が腐敗していると言われている由縁がよく分かる事柄だな。
「しかし、警察か……強制移民コロニーの治安維持にはいいかもしれないな」
わざわざ私やプルシリーズが直接強制移民達の治安維持を手掛けるには対価が見合わないが、それが移民達の取り締まりを警察に任せて、警察の監視だけを私達が行うなら手間は格段に減る。移民達も元々が警察なら受け入れられやすいだろう。例えそれが同じ立場の強制移民者だったとしても。
「その中に政治家を入れるとどういうリアクションが見られるのだろうか、マンガや小説などのように良心などというものはなく、責任を問うという形でストレスをぶつけ、私刑とするか、新たな指導者として迎え入れられるか、それともただの移民者へと成り果てるか」
とはいえ、それなりに顔が知れている政治家でなければ面白くないな。知名度が低い者では誰も知らず、気づかれないままスルーして終わってしまう可能性がある。
「悪名で知られる者か、それとも顔だけは売れている者か」
悪名なら裏金が発覚したのに未だに居座り続けているやつか、それとも不倫騒動が取り沙汰されているやつか、それともパワハラを連発しているやつか……逆に有能そうな者(注:アレン基準)はあえて残すことで連邦のあり方の変化も観察したい。
「そろそろ大尉に地球征服に関して伝えなくてはならないか」
受け入れられるとは思えないので話していないが、そろそろ伝えておく必要があるだろう。例え敵に回るとしても……もっとも治療費が支払い終わるまでは本人の意思に関係なく解放するつもりはないが。
幸い、大尉はニュータイプであるし、逃亡を図れば私が気づくので逃げられる心配もないので回収し損ねることもない。