第六百五十一話
「堪え性が無さ過ぎるだろう」
捕えてあった90%の人間を強制移住コロニーに移動させてから2日後、暴動が起きた。
「いや、気持ちはわかる」
なぜか移住者に共感するカミーユとそれに同調するハーレム。
「体に良いというだけで味を犠牲にした食事では心が荒む。拉致され、慣れない宇宙での生活となればなおさらだ」
今のところ使い道のない生き物に無駄に贅沢をさせる必要はないと大量生産に優れているが味は度外視した完全食を支給したのだが、どうやらそれが原因のようだ。もちろん知っていた。
「最初から優遇しては勘違いして調子に乗るのが人間だからこういうのは最初が大事だろう?」
ネオ・ジオンの顔を立てていた時とは違い、人権に配慮する必要がなくなった。
暴力などの肉体的な虐待をするつもりはないが、
「言いたいことはわからないではないが、今まで普通に生活をしてきた人間にあれは酷だ」
「現実的な問題としてこれから億の人間の世話をしなくてはならないのだから生産性は重視するしかない。本人達に生産させるにしても知っての通りコロニーでは生産することそのものが環境への負担が掛かる」
地球は他生物が自浄作用を担ってくれるが、コロニーでは全て人工的に行わなければならないため生産性の低い方法を気軽に試せない。
地球連邦が空気税を導入したのもわからんでもない。ただしそれは正しく使われていたなら、ではあるが。
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申し訳ない。苦し紛れに短いものを投稿しました