第六百六十二話
「航空機120機、MS部隊30機を撃破し、シルメリア2機中破か、隠蔽も念入りにしたことだし問題はない成果だろう」
砲戦フレームも交代させてからも支援を行い続けたが、私が思っていた以上の戦果を得た。
火力支援の重要性は理解していたつもりだった。しかし、宇宙と大気圏内では重みが違うようだ。いや、これも知っていたのだが、知っていただけでだったようだ。
宇宙の火力支援は遮蔽物がほとんどなく、無重力故に上下がないことから通常よりも射程が長いというだけでそれほど変わりなかった。
しかし大気圏内だと重力があったり遮蔽物があったりと環境に影響を受けることが多い。その上ビーム兵器は減衰速度は宇宙のそれとは比較にならないほど早いが実弾なら減速したとしてもそれなりの威力を有する可能性が高い。
何より直射しかできないビームと違って実弾であれば曲射で障害物を無視して攻撃することもできるし、榴弾やミサイルの爆発による攻撃範囲は広くなり、オールドタイプ相手や拠点などには有効な攻撃手段として有効なものであった。
今回、シルメリアが行動不能になり情報流出の危険性があったが、念入りに榴弾を叩き込むことができたのでほぼ流出することはないだろう。レナスにしろシルメリアにしろ自爆で隠蔽してきたが、軽量化している関係で自爆そのものも爆発も本当に重要性が高い部位を隠蔽する程度の威力しかなかったがこれで問題はある程度解決できる。
ビーム兵器は威力や速度に申し分ないが、攻撃範囲という意味では戦艦級のメガ粒子砲であってもミサイルに劣る。