第六百七十一話
さすが白い悪魔、データを見せただけでプルシリーズの教導に変化が起こった。
特に模擬戦ではプルシリーズの戦績が著しく落ちた。
もちろんプルシリーズの体調が悪いわけではなく、MDのデータにも関わらず、それを見ただけで大尉の先読み精度が劇的に向上した。
今までも模擬戦を何度も行ってきたが、やはり模擬戦は模擬戦でしかないのか、それとも大尉ならではの何かがあるのかは不明だが、戦闘スタイルが変化している。
本人にどういうことかを問うたが大尉本人もわからないと答え、虚偽ではないことを確認している。
強化人間人格OSが補助している影響でMDはプルシリーズの成分は減っているはずなんだが……やはりニュータイプは、人間は奥が深い。
と大尉に興味を惹かれて解析しているといつの間にか第二次討伐軍を撃破していた。
一応報告はされていたが戦力データを見ると規模こそ25%増やしていたがMSは以前とそう変わらず、強いて言えば対空戦力としてΖタイプが比較的多く投入された程度。
とはいえ、数の差が多くなったことで大気圏で駐留している母艦級からレナスを各基地に順番で増援させ、損害も各基地の配置していたシルメリアは全滅する程度には被害を被った。
「さて、これからどうなるか」
レナス……今レナスと呼ばれているものは初期型ではなく、徹底軽量化され、ビームシールドを装備する高機動型レナスである。
そう、この世界で初めてビームシールドを実戦投入したのだ。
今までは対ビーム防御といえば塗装によるコーティング、Iフィールドのどちらかで、ビームコーティングは耐久に難があり、メガ粒子砲にはほぼ無意味、Iフィールド発生装置は高い、でかい、整備性悪いの三拍子が揃っていることで量産機にまで搭載できるほど手軽なものではなかった。
対してビームシールドは、小さい、安い、対実弾もOKという手軽さでこれからの防御機構としてはこれ一択と言える。もっとも以前にも言ったようにビームコーティングを施した実弾には無効化されてしまうことやシールド展開中はIフィールドはセンサー類に障害が発生するなど弱点がないわけではないが。