第六百七十五話
激戦。
その情景を言い表すのに適した言葉であり、それは不適切へと変貌していく。
劣勢。
元々MSの数には差があった。
中規模でしかないオデッサ基地にはMS30機、航空機50、この日に向けて増量された対空戦車100両や対空砲台多数である。
最近ではあまりない数的不利な戦いを強いられた連邦軍は守りを選択するは至極当然のものであった。
問題は空中戦においては攻守にそれほどの差がないことだった。
質の差に数の差がるとなれば劣勢でも仕方ない……連邦軍にとってはそうだろう。
しかし、ミソロギアを知っていれば劣勢程度で済んでいるのは奇跡である。
だが、奇跡でもなんでもなく、今回はアレンの方針でこうなっている。
今回の戦い、プルシリーズの遠隔操作は部隊指揮、統率までであり、戦闘そのものはAIによるものとなっている。
AIはプルシリーズの遠隔操作に劣るため、戦闘に利用する機会は少ない。1番利用する機会が多いのはプルシリーズを配すことがなく、重要度が低い宙域の警備ぐらいである。
しかし、アレンは今回の侵略でAIを重用してデータの蓄積を行い、精度を高めようと決断した。
そもそもプルシリーズだけでは質はともかく量が足りず、このまま満足できないAIで時渡りを行うのもリスクが高いという理由も地球侵略を決断した要因の一つと言える。