第六百八十二話
「久しぶりの――戦場だ!!」
コクピット内部と自分自身を発光させるだけに留まらず、キュベレイ・ストラティオティスの装甲から若干漏れる光は美しいながらも不気味さを演出しているがパイロットのプルは不気味さというよりも常人から見れば戦場に歓喜する狂人にしか見えないだろう。そしてそれは事実でもある。
母艦級へ抜けさせないように連邦宇宙軍を迎え撃つように広く展開している中、一部が突出。それが彼女達である。
「一番槍は私達が頂く!」
厳しい訓練を受けているプルシリーズは軍人以上の軍人であるので命令違反などするわけもなく、これは計画通りの行動である。
だが、その行動はともかくとしてその興奮状態はアレンの計画にはないものだった。
「これは……サイコ・フレームによって感情が共有され、そして増幅されているのか」
いくら久しぶりの実戦とはいえ、戦争などというものは何処かで行われているほど身近なものでは既にないし、アレンとしても自分が望んだ戦争ならともかく、末端の暴走による戦争などというものを引き起こされては面倒である。だからこそ、その平時でも平穏に過ごせるように調整をプルシリーズに施している。
もちろん本分を忘れたわけではないので今回のように機会があれば多少のタガが外れることもある。しかし、それにしては個ではなく、徐々に全体へと感染するように伝わっている。
「まだ制御できる範疇のようだが……なかなか面倒で面白い素材だな。サイコ・フレーム」