第六百八十五話
先頭を突き進む5機のキュベレイ・ストラティオティスは連邦軍のMS部隊と接触しても止まることなく前進を続ける。
連邦宇宙軍は数で勝るのだから本来先鋒が抜かれたところで後続の部隊が止めるため先鋒はそのまま進むことが通常であった。
しかし、ネオ・ジオンとの戦闘データを頭に入れていた連邦パイロット達の過ったのはハマーン閣下が操るキュベレイとプルクローンの量産型キュベレイと共に正面突破した映像だった。同じキュベレイタイプであったことが余計に彷彿とさせ、冷静さを奪うこととなった。
先鋒を務めていた部隊の意思が2つに別れた。
基本に則って前進を続けるもの、そして基本に反してでも止めないとまずいと判断して引き返すもの。
どちらが正解とは言えないが嫌の連想をしたのは艦隊側でも同じであり、少しでも不安材料が減るならば多少の拙い行動は大目に見よう、などと考えていた。
ハマーン閣下の吶喊と違い、キュベレイ・ストラティオティスの速度は量産型では出せないものの特殊機なら不思議ではない程度、つまり常識的な範疇でしかないのだが――
「止まらねえ?!というか当たらねぇ!!」
ひらりひらりひらりひらり、まるでビームや実弾とは反発するかのように避け続けるその光景は美しくもあったが、相対する者達には恐怖でしかなかった。
「来るな来るなよ!!――あっ」
また一つ命が失われた。
「それにしても科せられた罰がこれほど疲れるとは思わなかった」
実のところミソロギア側は本気を出していない。
なぜならこの先頭を走る5機は戦いが恋しくて恋しくて他のプルシリーズを威嚇するなどの迷惑行為による罰としてファンネル(テンタクルは除外)とIフィールド禁止を言い渡されている。実質9割を制限されているに等しい状態で連邦軍に突撃をさせられているのだ。
「まぁコレがあるから落とされることなんて滅多なことは起きないだろうな」
「フラグ立てるの禁止だよー」
「でも気持ちはわかる。いくら数が多くてもこれじゃ敵じゃないねー」