第六百八十六話
ファンネルの使用を禁止されている先頭を進む5機――仮称として懲罰組とする――は自身の予想よりも苦戦を強いられていた。
「あー、もう!クールタイム管理が面倒!!誰か余裕ない?!」
「あるわけないじゃん!」
キュベレイ・ストラティオティスは武装の豊富さとファンネルという手数の関係上、敵が多数であったとしても殲滅力が上回ることがほとんどであり、継戦能力に不安はさほどなかった。
ファンネルが禁止であるものの次から次へと来る敵を相手にメガ粒子砲やビーム砲などで殲滅力を補っていた。しかし、ビーム兵器は等しく冷却が必要であり、特に高出力になればなるほど重要となるのだが、これが通常の戦闘程度なら問題にならないのだが敵は全てを相手にするわけではないとはいえ、500を超えるMS部隊を真っ直ぐ突っ切るとなると自然と集中砲火を受けることとなる。
いくらキュベレイ・ストラティオティスとプルシリーズとはいえ、集中砲火を受け続けのは辛く、つい火器を限界まで使用してまでも殲滅を優先する。
しかし、それも限界は来る。
1発のビームがキュベレイ・ストラティオティスを捉え、回避はできる状態ではなく、当たる――かと思われたが――
「くっ、必要ないと思ってたけど前言撤回。十分役に立つじゃない。ビームシールド」
地上では大気の影響で不安定だったビームシールドも宇宙ならばその効果を発揮し、MSの携帯兵器は完全に防ぐことができる。更にビームシールドは両肩バインダー上部と両腕部に装備され、広範囲をカバーすることが可能だ。
もっとも動力は本体からではなく、アレンが改造したエネルギーcapを使用しているため、MSの携帯兵器を防ぐほどの出力を展開できる時間はあまり長くない。
なのでプルシリーズ――この懲罰組は上位ナンバーだけで構成されているので常時展開ではなく、避けきれない攻撃のみ瞬間的にビームシールドを展開するという離れ業を行うことで命を繋いでいた。
ちなみに本当に当たる一瞬のみ展開しているため、連邦パイロットには一体何が起こっているのかわからず、攻撃が無力化されているようにしか見えていなかった。
「もう我儘言わないから早く後衛来てぇ!というか援護射撃ぐらい欲しい!!」