第六百八十七話
「必要は発明の母とは言うが正にその通りだな」
懲罰組は徐々に追い詰められてきているが、追い詰めれば追い詰められるほど連携が洗練されていくのが目に見えてわかる。
確かにいつも通りの条件であったならこんなことにはならなかっただろう。
「いや、大尉の訓練も影響しているか」
以前までならそもそも連携が取れるほどの距離で戦うことはない。
キュベレイ・ストラティオティスは量産こそしているがネオ・ジオンや連邦にとっては決戦兵器に分類される。
それを通常のMSと同じような距離感で運用するのは数の差も質の差もあるが無駄が多くなる。もちろんニュータイプを相手にする場合は違うが、残念ながら今回はニュータイプはおらず、いつもの立ち回りであったから大いに進歩している。
「これが日頃から実践できればもう少し任せることができるんだがな。それと大尉には見合ったボーナスを用意するとしよう」
とはいえミソロギア内における最上位の生活環境を提供している――まぁ興味がないことにはとことん興味が薄い人間の集まりなので仕方ないのだが――となるとどうしたものかな。
「ふむ――やはりアレかな」
ララァ・スンとの再会、か。
サンプリングに私自身が使えたらもっと簡単なのだが、それほど強く他者を思ったことはない。少なくとも死んだ者に対しては……はて?思念とはかなり曖昧なもので、死者の思念は別格に強力ではあるが、生きている者の思念でも再現できたりするものだろうか。
これのテストなら私をサンプルとすることができるかもしれない。
「お、懲罰組はやっとノルマを達成したか」
懲罰組は敵を100機撃破するというノルマがあったが、今達成した。これで懲罰は解かれ、全武装の解禁となる。
「さて、ここからは本格的に見るところはないだろうな」