第六百九十七話
私達の戦力を減らすのはアムロ・レイを中心として戦い、それ以外はタンク系の砲撃が思ったよりも効果がありそうだと分析したようで急ぎタンク系を生産、ロールアウト次第私達の基地周辺に配備されるようになっている。
もっとも指揮を執るプル22も黙ってやられているわけではない。
今まで不自然にならない程度にしか活動していなかった海洋生物型兵器を本格投入してシーレーンを破壊することで多くのタンク系や大量消費される弾薬などを葬り去った。
まぁ船を沈めてこちらでサルベージしているので資源は総合的には増えている。基地の資源は減っているので要注意だ。
物資輸送に関しては宇宙へは移住民と共に行っているため妨害はないが、宇宙から地上への輸送は盛大な歓迎が行われるようになった。
弾道ミサイル、巡航ミサイルや砲撃、もしくはアムロ・レイが率いるMS隊が現れる。
ミサイルに関してはどちらも私達にとっては迎撃が容易い……ちなみに1発だけ核ミサイルが混ざっていたがので問題ないがそれに紛れるようにアムロ・レイの部隊が現れるとなると厄介になる。
HLVを護りながらの戦闘など、ただでさえ迎撃したミサイルの破片ですら気を使うというのにアムロ・レイとの戦いになると難易度が上がる。
宇宙から地上へ輸送されている物資はMDの原材料である加工前の金属類であるためHLVが落とされたところでほぼ回収できるので問題ないのだが、HLV再建と回収の手間を考えればできれば落とされたくないところではあるのだが、2割ほどは落とされる。
更に面倒なのは――
「白い悪魔の機体が出撃するたびに違うこととこちらのパターンが読まれ始めていることか」
毎回機体を乗り換えて戦うなど狂気としか思えないのだが、それでも戦えてしまうのが白い悪魔らしい。
十全とは言えないが少なくともレナス5、6機に囲まれても戦えるぐらいには使いこなせるようだ。
狙っているわけではないだろうが一々未知の機体を相手にするとなるとMDの基礎としているAIがデータがないためパフォーマンスが若干落ちてしまうことも苦戦している一因となっているだろうが、最たる原因はどうもMDのシステムが読まれてしまっているようなのだ。
大尉もそうなのだからアムロ・レイもそうだとしても不思議はないが、大尉のデータを解析して対策を施したシステムにまで対応が早い。
「まだ確証を得ていないようだが、無人機であることも薄々気づかれている」
だからと言って不利になるかというとそんなわけでもない。
レナスに確実に対応できていると言えるのは白い悪魔の他には4人程度であり、それ以外を削るようにして数で押し包めば損害は出ても負けることはない。
私の負けの定義は戦闘規模から計算した損害を上回るかどうかで決まめている。人的被害がないのだからこういう定義づけになるのだ。